お釣りなしで商品を買うときに便利な「1円玉」。その知られざる情報をお届けします。【殿堂入り回顧 】
2025年現在も日本で使える貨幣で、最小金額の1円玉。正式名称「一円アルミニウム貨幣」の裏面には「1」の数字が、表面には8つの葉を携えた1本の木が描かれています。500円硬貨の表には桐の花、100円硬貨の表には桜の花が描かれています。しかし、この1円玉の表にある木は何という種類でしょうか ?
気になる答えは……。
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「具体的な木の名前はありません」
実は、何の植物かは不明なんです。日本で流通するコインを製造している造幣局は、公式サイトのQ&Aコーナーで「1円貨のデザインにある木は何の木ですか?」という質問に、以下のように回答しています。「具体的な木の名前はありません。造幣局では若木と表現しています 」
1円玉の「若木」に込められた願いとは?
この「1円玉」の若木は公募で決まったデザインです。そこには、ある願いが込められていました。戦後まもない1948年、造幣局は「一円黄銅貨」を発行しましたが、物価の高騰により額面価格が材料価格を下回ってしまい、潰される可能性が出てきたため、わずか5年で廃止されました。2年間のブランクを経て1955年に登場したのが「一円アルミニウム貨幣」でした。『造幣局百年史』(大蔵省造幣局)によるとデザインは一般市民の公募で選ばれました。2581件の応募の中から、表面に選ばれたのは京都府の中村雅美さんのデザインでした。「大きく伸びる若木」とだけ書かれていて同書でも、特に何の木かは触れていません。造幣局公式サイトでは「若木」のデザインについて「伸びゆく日本が象徴されています」と解説しています。匿名の若木には戦後復興の願いが込められていたのですね 。
※BuzzFeed Japanで根強く人気がある記事を再編集して掲載しました。初出:2024年10月12日